近所のコンビニに研修生さんがいます。
夏休みに向けてバイトに入ったのか、でも学生には見えないのでフリーターかもしれませんが、その研修生さん、ストローや割り箸の入れ忘れとか手際の悪さとかが目に余るようで・・・。たまたま私はその人にあたったことはないのですが、うちの女の子たちで何人かオフィスに帰ってきて叫んでいることがあります。
まあ、それはそれでしょうがないんですけど。
その話で盛り上がっている彼女たちの会話が飛び込んできました。
「もー掲示板とか書いちゃってもいいよねーこういうの」
「そうですよねー、2ちゃんねるとかー」。
冗談でも言っちゃダメだよ・・・・
ほんの2、3年前。サイトを持つということは、厄介なHTMLや、ビルダー系のソフトを使ってネットにアップする、という作業が入るために、そういう作業が苦手な人には近寄れない、というか興味のない領域だった。
掲示板に書き込みをする人はいてもサイトを持つ人はけっこう少なかったと思う。うん。
黒地に水色のイタリックでボールドの文字の「ようこそ○○のホームページへ」みたいなサイトがたくさんあったのは、4、5年前。
企業でも一人に1台ずつ端末あって、すべてLANによりネットに簡単に入ることができる、という環境が整ったのって、ここ数年だと思う。
ネット環境が整備され、パソコンが安価になり、インターネットが身近になったこの頃になると、利用者がねずみ講のように増えてきたGreeやMixiといったSNSや、HTMLの知識も常識も必要なく無料でカンタンに開けるブログ。
インターネットを情報を探す便利なものとしか使っていなかった人たち、まったく触ってなかった人たちが、気軽に「作る」「表現する」側にまわってこれるようになった。それは全然悪いこととは思わないんだけど・・・・。
ということで、長くてまじめな話。
Mixiの写真を見ていると、どう考えても著作権の侵害としか思えない写真がたくさんあります。
自分の会社のコミュを見ていて、おいおいこんな内容を誰でも見れる設定にしてていいのか、と思うこともあります。(情報扱ってる会社なのに・・・・)
会社の隣の部署の人たちは、お互いマイミクになって日記を覗いているようですが(私には信じられんー!(笑)そこまで会社の人にはプライベートを公開できませんよ私!)、そんな気軽でいいのかなぁ。
自分のことを知っている誰かも、知らない誰かも、好意を持つ人も悪意を持つ人も、それこそ世界中の誰でも見られる場所でもあるのがインターネットの世界、という大前提を、どこまで理解しているんだろうか。
殺人事件の犯人が容疑者のうちから、犯人どころか被害者まで、その人の住んでいる(近所の人が見れば簡単に特定できる)場所、苗字、ひどいときには写真も公開されていたりします。
野次馬根性で、「そこで集まろう」とまで言う人もいます。
匿名の世界だから、気軽に書き込めるから、自分には関係ないから。
多分そんなことだと思いますが。
人のうわさも75日。
今では75日もたたないうちにうわさは忘れ去られ、次のゴシップに興味が移る時代です。
でも。
そのうわさの対象にされた人は、75日で忘れられるわけがない。
しかも、昔のうわさのように「友達の友達が・・・」というレベルではなく、ネットの世界では、まったく知らない人のうわさを手に入れ、また見知らぬ人へと広げるのです。自分のうわさを、友人から「こういう人がいるみたい」と聞かされる人だっていると思います。
前述の彼女たちが、例えばMixiに「今日こんないやなことがあったのよー」と書く。
それは日記として別にいいと思います。よくあることです。多分彼女たちはそのレベルの話をしてるんだと思います。
でもそこに、場所と人が確定できる内容がプラスされたら。
ネット上のハンドルがわかるのとはわけが違います。
もしそこで、その場所がわかる人がいて、自分も行ってみて、たまたま同じことが起きた。
そしてその人も自分のサイトなりMixiなりに、その日記を引用して、「私もこの店で・・・・」と書いたりする。
そうすると、もうそのお店についての悪評が広まる可能性が格段にアップすること間違いないです。
書いた本人はその気がなくても、もしそれが個人商店だとしたら、つぶれる可能性だってあるのです。
ただ、その可能性を考えて、言っているのか。
それが、怖い。
2ちゃんねるやオタクをまったく知らない人から見たら、なんだか素晴らしいところのように身近なものにしてしまった「電車男」や、Mixiから出てきた「59番目のプロポーズ」といった美談めいたものだけがクローズアップされて、ハイテク犯罪、サイバー犯罪やモラルハザードなど、その世界の怖さについてはあまり取り沙汰されないんですよね・・・・
山岸涼子さんの「舞姫~テレプシコーラ~」というマンガの中で、主人公の姉が、2ちゃんねるを模した大型匿名掲示板と思われる掲示板で、いろいろなことを書かれているという展開がありました。
匿名によるプライバシーの侵害、負のイメージの憶測、中傷。
マンガの中のことですが、あまりにリアルです。
実際に自分の通っているスタジオ関連のところでは、内部の人なら誰でもわかる内容で中傷が書かれていたりします。その中身は、まったく根拠のないことや、勝手な解釈のものがほとんどで、友人同士では「厳しさに耐えれなくて逃げていったガキが、自分のものさしで書いている内容」とわかっていますが、今時のネットに書いてあることを鵜呑みにする人たちにはそんなことはわかるはずがありません。
自分の知っている人が、何食わぬ顔をして、気軽に悪口を書き込んでいるかもしれない。
いつも気軽に書き込んでいるけれど、いつか自分のことが書き込まれるかもしれない。
自分の知らないところで自分のプライベートが公表されているかもしれない。
これは犯罪なのかもしれない。
何が一番怖いかって、明らかに悪意を持って書いている人よりも、ほんの少しの悪意、もしくは興味だけで、気軽に便乗している人なんじゃないでしょうか。
ネットの片隅とはいえ、情報を発信する側として、改めて自分を見直すようになりました。
と、長々とマジ話@昼の休憩と夜。
-------興味があったら覗いてみてください
犯罪予備軍養成掲示板=にちゃんねる(2ちゃんねる)の裏事情・事件簿⇒違法性を暴く
http://www.doblog.com/weblog/myblog/22179
アキバ署! (アフタヌーン連載)
マンガだけど、ハイテク犯罪の怖さをリアルに感じられます。実際に起こった事件をモデルにしてるのもあるんじゃなかったかな。
舞姫~テレプシコーラ~(ダ・ヴィンチ連載)
ちなみにもうすぐ9巻が出ますが、今連載してるあたりは10巻でしょうか。かなり重いマンガになってきましたよ(笑)