飛行士 | 広田勇ニ | 王子 | 野田久美子 | |
キツネ | 安中淳也 | 花 | 浜崎真美 | |
ヘビ | 関川慶一 | 黄花 | 秋本みな子 | |
王様・地理学者ほか | 藤田 将範 | 渡り鳥・ほか | 清田和美 兼崎ひろみ | |
うぬぼれ屋ほか | 渡辺修也 | 富永友紀 野口綾乃 | ||
呑み助ほか | 萩原弘雄 | 村田麻衣 河村真希 | ||
実業家ほか | 新木啓介 | 冨永波奈 永登春香 | ||
点灯夫ほか | 黛 一亮 |
開くとがっつりネタバレつきです。
正直1幕始まった時には、ヤバいかも、と一瞬思いましたが。これは演技がどうのっていうよりも、星の王子様というお話自体に私は感情移入ができたっけ(笑)とかいう根本的なところでした。
や、正直日本語版のやつ、冒頭読み始めて、「僕」についていけなくて本を置いた過去があるのですよ。
でも、まず舞台美術。可動式の弧を描く階段と、その上に被る砂漠色の布と、少しの道具。階段が移動したり、布が移動したり、中から人の手によりうねったり、それだけなのに、すごくイメージが膨らんでいくし、キレイ。
バオバブの芽たち、砂嵐、いろいろな星、蛇の登場、黄花、キツネと王子の出会い、泉、ラスト。シーン毎に舞台演出に感心。もちろん砂漠が舞台なんだから、シンプルかもしれませんが、段をうまく使った動きが計算されてて、布がふぁさぁぁって降りてくるところとか、大好きだー。
で、もちろん舞台装置演出だけじゃありませんよ(笑)。
印象に残ったのは、2幕冒頭から印象的な登場をした関川ヘビ!>やはりそこか
や、関川さんてマンマでしか拝見してないのかな?あんなもろモダンとかコンテンポラリーな動きが素敵だなんて!(笑)。あの2幕のシーンとした空気。その中を、神秘的に動くヘビに釘付けでした。そしてラストの表情とかね。
ヘビといえば。
よく舞台で動物とかの衣装って、全身を使って色を表現することが多いと思いますが(花ならば足が緑、上半身が花の色、みたいな)、ここはさらにリアル、というか・・・。ヘビは右手~身体~左足(逆だったかな?)の流れでヘビの鱗とかついてて、反対側は肌色。黄花も、胸から上は黄色で花なんだけど、茎である足は片足だけ緑で反対は肌色!!なんだかなまめかしいぞ!!!(笑)
そんな黄花。みな子さんのダンス久々。ほんの少しの登場ですがやっぱ印象的なシーンですね。
いやむしろ、嵐にもまれて飛んでいく様の振り付けというか、すげー・・・(本当に上に飛ばされて消えていくとは思わんかった)。
そしてキツネと王子の、なんだそこの付き合い始めた中学生カップルも真っ赤になりそうな初々しいカップルは!て感じが。なんとも言えなかったっていうか、マジ赤面しました。うわーうわーうわー。友達になるのも大変だぁ。
でも別れのシーンは切なかったですよ。キツネ、かっこいいな、キツネ。
新木さんは、四季時代と多少発声が変わったのかなぁ。最初に出てきた飛行機乗りもちょっと好きです。
藤田さん・・・ああいう役、上手いですよね。地理学者はさすがにすぐわかんなかったけど。
広田飛行士。くたびれたおっさんが次第に王子になついてきて(逆だ逆)、時々優しい目をするところとか、最後の方の王子に上着をかけたり心配したり笑ったり、そういうシーンがすごくよかったので、最後笑ってるところはすごく切なかったです。
野田王子。
本当に小さい男の子のようなテンションと動き。最初は、こんなのになつかれたら鬱陶しくてたまらんわー!(笑)とか思って観ていましたが、次第にキラキラとした表情でくるくると動く王子がすごく可愛くて可愛くてしょうがなくなってしまいました。
そんな王子だったから、ラスト近くは本当に切なくって、王子が星に戻る瞬間(あえてそういう表現で)の、一瞬のあっけなさと、唐突さで呆然とした後に、ただ涙が流れる感じ。
なんかもう、王子よかったです。カテコの、例のマントを着た王子も可愛かったー!
その他もいろいろあったけど、さすがにあまり覚えてない・・・です。
縁あって観に行くことになった作品ですが、観てよかったです。もう一回、本をちゃんと読み返そうかと。
きっと子どもの頃じゃなくて、大人になった今こそ、心に響くんでしょうねー。