ベンドラ | 林 香純 | ||
マルタ | 勝間千明 | ||
イルゼ | 金平真弥 | ||
アンナ | 松田佑子 | ||
テーア | 岸本美香 | ||
メルヒオール | 柿澤勇人 | ||
モリッツ | 厂原時也 | ||
オットー | 加藤 迪 | ||
ハンシェン | 一和洋輔 | ||
エルンスト | 竹内一樹 | ||
ゲオルグ | 白瀬英典 | ||
大人の女性 | 中野今日子 | ||
大人の男性 | 志村 要 | ||
【男性アンサンブル】 玉井晴章 南 晶人 | 【女性アンサンブル】 玉石まどか 有村弥希子 |
TONYの授賞式でもおもしろそうだなぁって思っていたのでチケットは取って、そのままブログも見ずに前知識もなしに観に行ってきました。
まとまらない文章のまま、載っけてしまいます。
読みにくい、わかりにくいところはいつも通り。すみません。
「衝撃的」とかうたってますが、実際そういうシーンとかたくさんありますが、そこに目がいっちゃうと、物語とか歌とか、そういう方の良さに気づけないっていうか…うーん、観終わって思ったのは、やっぱこれは自由劇場な内容だーって(笑)。
戯曲自体が古いのと、よく自由劇場で観る、ラストの方でそうなったのは必然かもしれんが釈然としねぇ!とか(笑)、うわーそんな終わりかたかよ!とか、そういった展開っぷりが、私の中では自由劇場認定です(笑)。
メルヒオールが高校の後輩の高校当時に少し似てました。
成績は学年一。一見まじめ。先生の覚えもめでたい。でも、本人は信じるものがすごく少なくて、限られたごく少数の、自分が尊敬できる人しか人と認めてなくて…そういえば、15歳くらいって、あんなだったよな、なんて思い出しました。
「誰もが一度は歩んできた道」っていうのが、ちょっと陳腐じゃない?って思っていましたけど、自分がそういう道は歩んでいないかもしれない。でも、自分の友達は?同じ世代は?
ふと思い出すと、私自身の中学時代は管理教育のまっただ中で、冒頭のラテン語の授業みたいな体罰こそはなくても、あんなだったかも…。厳しい規則にしばられて、反抗して。さすがにここまでの事態は起きてませんが、それに近いことはいろいろあったんじゃないかと思います。
そんなことをつらつらと思い出したりしました。うわ、ちょっと、経験として今の自分を形成してる時代だけど、思い出したくなかったことまで思い出しちゃったぜ!的な微妙な気分。
あの頃の不安定な自分たちと、まっすぐ生きていくつもりが翻弄されていく彼らの姿が重なって、でもそれを観ている自分はもうすっかり「大人」で、青いなぁ、なんて観ていたりする。不思議な感覚でした。「Those You've Known」から「The Song of Purple Summer」への流れは、メルヒオールはこれからどうするんだ?っていう疑問を残しながらも歌で救われる部分もあるし、「大人」の自分は、それでも、傷を抱えたままでも生きていけるんだよね、なんて思ってしまう。
感情と理性が複雑な模様を描いています。
さて、若手中心カンパニーということで、実際名前を拝見したことはあっても観たことがない、って俳優さんが多くて、そういう意味でも個人的には新鮮に観られました。
今まででは、新作とか言ってもメインの役は知ってる役者さんばっかり。でも今回は、確かに名前は知ってるけれど、主役級の人はメルヒオールとモリッツの人たちくらい?
正直、若手だけで創り上げていくと、文化祭的な、内輪で盛り上がるだけの中途半端なものになってもおかしくないとは思っていましたが、きちんと創られてるなぁって思いました。大人役のお二方がどっしりと存在感もあることもありますね。
観てて思ったのは、男性なんて特に個性的な役が多いんで、役作りとか、あと、演じてるとはいえ、人前で演じるのは恥ずかしい場面とかいっぱいあるんだろうけど、役をきちんと作ってあるなぁってこと。そして、それぞれハマってて、違和感がなかった。
違和感がないっていうか、あれ、この人、どんなだっけ…とか。竹内さんなんかはエーゲ海で何度も観てるのに、全然つながらなかった(笑)。一和さんなんかもそう。
あと、なんか等身大というか…失礼な言い方かもしれませんが、普通にその辺にいそうというか、すごくかっこいい、とか、可愛い役者さんではないのがとてもリアルでした。役者は演じることでどんな年代にでもなりますが、やっぱり本当の若さ故のあやふやさは、若い方が演じた方がよりリアルだなぁとも思いましたね。
音楽はすごく綺麗な曲だなぁって思いました。
ハーモニーとか丁寧に作ってある。旋律も綺麗。のっかってる歌詞の内容は別として(笑)。ソロも多いですが、数人で歌う曲がうまーく作ってあって、響き合いがとても綺麗です。
金平イルゼの歌がすごく印象に残ってます。
舞台上のバンドメンバーも、この作品を一緒に作り上げてきた方々で、とても一体感があるなぁって思いました。そういえば上手のSS席後ろのお二方は、カテコまで存在を知られない場合もありそうですね(笑)。途中ゲオルグやイルゼがピアノを弾いている姿も印象に残っています。
舞台。椅子を動かしたり床が若干稼働したり。それだけ。それなのに、閉塞感のある教室から、せせらぎの聞こえてきそうな森、シンとした墓場…いろいろな場所に見えてきます。シンプルだけど、逆に想像力が勝手にそのシーンを描いてくれます。上手のSS席の後ろの格子壁も、意外と重要じゃないかな。
そして、壁に掛かってる絵だとかモノだとか。
そのシーンを象徴するような時だけスポットを浴びたりする。開演前に、それぞれに意味があるんだろうなと思ってみていたんですが、うまい使い方してましたね。照明が綺麗。
あ。下手の梯子の上のあれはああやって使うんかい!と驚きましたが(笑)。
蝶の羽もですが、夜のシーンの月がなんかすごーく印象に残ってます。
あとは、SS席のサプライズですかね。
キャストさんの感想とか。
ベンドラ:林 香純
「MamaWhoBoreMe」の澄んだ歌声と、母親とのやりとりで、すでにもう『両親に大事に育てられて、天真爛漫なんだけど純朴』な少女、という構図が自分の中でぱぱんと描かれてしまいました。
時にいらっとするくらい自分に素直で、他の世界を知りたがっている、その結果は必然にも見えてしまって。途中からすごく切なかったです。
マルタ:勝間千明
イルゼ:金平真弥
きっちりと結ばれた三つ編み。似たような境遇の二人。でも選んだ道が違った二人。
その二人で歌う「The Dark I Know Well」が切なくてしょうがなかったです。その歌を聴いてから、その直前のテーアの「親が子どもを叱るのは、子どもを愛してる証拠なのよ」という台詞が、その頃は確かに体罰ってあまり問題にされてないな、という思いにプラスして、どーんと重くのし掛かってきました。
勝間さんのマルタは他より少し大人びた少女。多分、世間的には「いい子」。だけども絶対に人に言えない境遇を、自分を納得させて受け入れてしまっている。テーアの台詞なんかも、その理由にされちゃってるんだろうなぁ。そんな姿がよく演じられていたと思います。
そして二幕からものすごい存在感のある金平さんのイルゼは急いで大人になってしまった少女。マルタと違って飛び出してしまった。そんなイルゼは一幕では歌の時だけ出てきたり、舞台転換であるとか本当に少ししか出てなくて、初めのうちは、彼女誰だっけ…とすら思ってしまいました。でも、2幕からの彼女の歌にはとにかく感動。ジェリーロラムでは何度か歌を聴いていますが、全然印象が違って。優しく切なく歌いかけてくる。「The Song of~」もですが、「BlueWind」はとにかく泣けてきてしまって。モリッツとのやりとりも、切なくて切なくてしょうがなかったです。
「じゃあ、探す意味なんてないじゃない」
何気ないひとことだけど、すごく印象に残っています。
個人的には石塚さんも大好きな人だし、イルゼに合っていると思うので、機会があったら観てみたいんですが…
アンナ:松田佑子
テーア:岸本美香
普通の女の子。でもいつかベンドラになる可能性もある子たち。幸せな家庭環境で育って、だから綺麗事みたいなことばを普通に言える。それは罪じゃないし本人達にとってはいたって普通のことなんだけど、マルタやイルゼには時にきついんだろうなぁ。
その存在は、「MyJunk」だけではなくいろんな曲の中で、思春期の女の子達を象徴するような可愛いなぁって思えてくる存在。救われる存在。だけど、そう居られない子たちにとっては、眩しくて時々辛くなる存在。
しっかりものの松田アンナ。そしてちっさくて元気でキュートな岸本テーアはとてもはまっていたと思います。
メルヒオール:柿澤勇人
アンジャッシュの(ry
同年代からは大人びてかっこいい少年だよな、文句なしに。確かにかっこいい。でも、観ている側としてはすごく不安定な少年。「大人」の言い分としては「所詮コドモ」。そんなメルヒオールがよく表現されてて、すごくはまり役だなぁと思ってみていました。「TotallyFucked」なんかはもっと弾けちゃってもよかったかなぁ、とも思いますが、とにかくこの人は歌がいいなぁと。弾けた曲よりも、バラード系のが似合うかも。シンバもですが、ライオネルを観てみたかったです。
モリッツ:厂原時也
目つきの鋭さが強調されるような髪型で、できの悪い生徒=反抗的な生徒、だとちょっと思いこんでしまいそうでしたが、他人が聞いたら笑い話にされてしまうような「悪夢」に毎晩うなされていてどうしようもない!っていう少年がとてもはまっていました。歌い出すとものすごい弾けていて、そのギャップもよかったなぁ。
イルゼとの歌は、それまでのぴりぴりした雰囲気がさぁっと治まってくるのがすごく伝わってきて、モリッツの決意に揺るぎはないけど、それに向かう心構えがなんか変わったんだと。展開は哀しい展開だし切なさ倍増なんだけど、少しだけ救われる感じがしました。
でも歌い終わった後にえぐえぐと泣きながらもスタンドマイクを片付け、コードを肘と手を使って巻き始めた時はちょっと可笑しかったですが(笑/玄人な巻き方)
オットー:加藤 迪
初めて拝見しました。歌声がいいですね。オットーは個性的な男性陣の中では一番目立たないのかな?他が個性的すぎるわ!って感じですが。多分一番あの時期お男の子に多いタイプなんじゃないかと(笑)。
ハンシェン:一和洋輔
エルンスト:竹内一樹
その二人を並べるな、と。
ハンシェンは絶対眼がアイスブルーだ!(笑)。ものっすごいゲルマンな感じ。髪の毛の色もだけどキャラクターが。竹内エルンストはあのくりっとした目とぽやんとした口調がめちゃめちゃはまってる。
この二人のガチホモっぷりはすごかったんですが、あれ、笑うところだよね?違うのかな。あのシーンをあの引いてしまってる中で熱々とやってるお二方に脱帽です。ハンシェンなんかは別のシーンもありますし。
二人とも若干開口激しい部分ありますが、ハンシェンの回りくどい台詞とか、エルンストの夢見る少年ぷりからすると、逆にはまってんなあ、って思いました。
ただ、別役の時はもうちょっとがんばれ、って気もしないでもありません。
ゲオルグ:白瀬英典
これまたすごい髪型キターって感じでしたが(笑)。とにかくこの人は声がよくて歌が上手い。そして歌ってる内容はおっぱいを語ってる!いいなぁ、このキャラクター。暴れてるところもすごい飛び回ってて、弾けっぷりもいいです。なんかマンガのキャラクターにいそうですよね。
ピアノのシーンとかちゃんと弾いてるし、さすがにゲオルグはシングルキャストっぽいですね。
大人の女性:中野今日子
大人の男性:志村 要
このお二方の存在はさすが!衣装はそのまま同じで、頻繁に登場するんだけど、ちゃんとそれぞれ違う人だ、とすぐわかる。ピアノの先生にはびっくりしましたが(笑)。
お二人とも真面目なシーン、はっちゃけてるシーン、どちらも手加減なく演じられてて、さすがだなぁと思いました。
アンサンブル
……は、そうなってたんですねぇ。